施工管理の年収が低いのは会社のせい?相場データと比較して原因を解明

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1級を持って現場所長を任されている。それでも年収は520万円。「施工管理の平均年収は641万円」というデータを見て、自分は損をしているのではないかと感じたことはありませんか。

施工管理職の平均年収は厚生労働省 job tagの集計で641.6万円です。しかし全体の約50%は年収500万円以下に分布しています(トントン社調べ)。平均値と実態には大きなギャップがあり、「施工管理なのに年収が低い」と感じている方は、むしろ多数派です。

結論として、施工管理の年収が低い最大の原因は、所属する会社の給与水準が業界相場と乖離していることです。同じ資格・同じ経験年数でも、会社が変われば年収は100万円以上変わります。年収が低いのは、個人の問題ではなく会社の問題です。

私は2級建築施工管理技士として15年以上現場に携わってきました。この記事では、各種データと私自身の経験をもとに、施工管理の年収が低くなる原因を5つ特定し、具体的な対策を解説していきます。

この記事でわかること

  • 施工管理の年収が「低い」と感じる根拠データ
  • 年収が低くなる5つの構造的な原因
  • 同じスキルで年収を上げる具体的な方法
  • 会社を変えるべき判断基準チェックリスト
  • 転職で年収を上げた人のデータと現実
目次

施工管理の年収は本当に低いのか

平均641万円のカラクリ

施工管理職の平均年収は641.6万円(厚生労働省 job tag)、セコカンプラスの調査でも632.8万円と報告されています。数字だけを見れば、日本の全職種平均460万円(国税庁調べ)を約37%上回る好待遇に見えます。

しかし、この平均値には落とし穴があります。トントン社の調査によると、施工管理技士全体の約50%は年収500万円以下です。平均値はスーパーゼネコン(5社平均1,000万円超)の高年収層に引き上げられており、中央値は500万円台前半にとどまります。

平均年収 vs 実態の分布

平均値
641万円
641万円
中央値(推定)
500万円台前半
約500万円

約50%が500万以下に分布。スーパーゼネコンの高年収層が平均を引き上げている(トントン社調べ)

「平均641万円なのに自分は500万台」と感じている方は、決して少数派ではありません。むしろ半数以上の施工管理技士が、平均年収を下回っているのが実態です。

年代別の年収レンジ

施工管理の年収は年齢とともに上昇しますが、年代ごとのレンジには幅があります。自分の年収が相場と比べてどの位置にいるのか、まずは確認してみてください。

年代 平均年収 手取り目安
20代前半 378〜381万円 298〜301万円
20代後半 501〜508万円 391〜397万円
30代前半 536〜604万円 416〜465万円
30代後半 654〜674万円 499〜514万円
40代 630〜734万円 478〜546万円
50代 690〜800万円 518〜589万円

出典:厚生労働省 job tag・各転職サイト調査データより編集部作成

30代後半で654〜674万円が相場ですが、これはあくまで平均です。中小の専門工事会社に勤めている方なら、30代後半でも500万円を下回っているケースは珍しくありません。

時給換算の落とし穴

施工管理の年収を「時給換算」すると、見え方が変わります。建設業の年間労働時間は他産業平均より約230時間長いというデータがあります(日本建設業連合会)。

仮に年収600万円で月40時間の残業を含む場合、年間の実労働時間は約2,400時間になります。時給は2,500円です。残業なしで同じ年収を得ている事務職と比較すると、実質的な「稼ぎ」は決して高くありません。年収の額面だけでなく、時間あたりの報酬で比較する視点が重要です。

私自身、20代の頃は残業代が月15万円ほど上乗せされていたため「稼げている」と感じていました。しかし冷静に時給を計算してみると、コンビニのバイトと大差ない数字だったことに気づき、愕然とした記憶があります。

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施工管理の年収が低い5つの原因

年収が低いのは、個人の能力ではなく構造的な原因によるものです。以下の5つのうち、3つ以上に当てはまるなら、今の会社の給与水準自体が業界相場を下回っている可能性があります。

1

企業規模の格差

2

資格手当の差

3

残業代の不透明さ

4

地域差

5

評価制度の不透明さ

企業規模の格差が大きい

施工管理の年収を最も大きく左右するのは、所属する会社の規模と業態です。同じ1級施工管理技士でも、勤め先が違えば年収は100万円以上変わります。

業態 平均年収 ゼネコンとの差
プラント 693万円 +10万円
ゼネコン 683万円 基準
サブコン 644万円 -39万円
専門工事会社 577万円 -106万円

出典:セコカンプラス「業態別の施工管理年収」

ゼネコンと専門工事会社では、同じ施工管理でも106万円の差があります。さらにスーパーゼネコン5社に限ると平均年収は1,000万円を超えており、中小の専門工事会社との差は400万円以上です。「施工管理の年収が低い」と感じている方の多くは、この業態間格差の影響を受けています。

資格手当の差が月3万円

1級施工管理技士と2級では、年収に約100万円の差があります。セコカンプラスの調査では、1級の平均年収が690.6万円、2級が585.0万円で、月収換算で約8〜9万円の差です。

さらに問題なのは、資格手当の会社間格差です。1級の資格手当が月5,000円の会社もあれば、月5万円の会社もあります。同じ1級を持っていても、手当の差だけで年間54万円の開きが生まれます。2級しか持っていない場合、まず1級を取得することが年収アップの第一歩ですが、「どの会社でその資格を使うか」によって効果は大きく変わります。

残業代の扱いが不透明

施工管理の年収は「残業代込み」で語られることが多く、基本給だけを見ると想像以上に低いケースがあります。月40時間以上の残業をしている施工管理技士は47.9%に上りますが(トントン社調べ)、みなし残業制や固定残業代制を採用している会社では、実際の労働時間に見合った報酬が支払われていない場合もあります。

2024年4月の残業上限規制(月45時間・年360時間が原則)の施行後は、残業代が減って手取りが下がるケースも出ています。これまで残業代で年収をかさ上げしていた会社ほど、規制の影響は大きくなります。基本給の水準が低い会社に勤めている方は、残業規制によってさらに手取りが下がるリスクを抱えています。

地域差で100万円の開き

施工管理の年収は、勤務地によっても大きく変わります。都市部と地方では、同じ資格・同じ業態でも100万円以上の差が生じるケースがあります。

たとえば、地方の中小建設会社で2級土木施工管理技士として5年働いた場合、年収380万円前後が相場です。一方、都市部のゼネコンに同じ条件で転職すると、年収500万円以上のオファーが出ることも珍しくありません。地方で「年収が低い」と感じている方は、地域の給与水準自体が低い可能性があります。県外のゼネコンが地方に出している拠点の求人を探すのも一つの方法です。

評価制度が不透明

日本建設業連合会の調査(中小建設企業507名)では、「給与や待遇が仕事内容に見合わない」と感じている人が56.6%に達しています。

特に従業員50名以下の会社では、給与テーブルが存在しなかったり、昇給が社長の裁量で決まっていたりするケースがあります。「10年働いても基本給が5万円しか上がっていない」という声は、私の周りでも少なくありません。制度として昇給の仕組みが整っていない会社では、いくら実績を積んでも年収が伸びにくい構造になっています。

年収が低い人の「会社の特徴」チェックリスト

前章で解説した5つの原因を踏まえて、「今の会社が年収面で損をさせていないか」を判断するためのチェックリストを用意しました。以下の項目に3つ以上当てはまる場合、会社の給与水準自体が業界相場を下回っている可能性があります。

会社の年収チェックリスト

  • ☐ 給与テーブル(等級表)が社員に公開されていない
  • ☐ 1級施工管理技士の資格手当が月1万円未満
  • ☐ 直近3年間で基本給の昇給がなかった
  • ☐ みなし残業制で、実際の残業時間を超えても追加支給がない
  • ☐ 同年代・同資格の業界平均年収と比べて80万円以上低い
  • ☐ 賞与の支給基準が明確に説明されていない
  • ☐ 現場手当・出張手当がない、または極端に低い

3つ以上該当 → 会社の給与水準が相場を下回っている可能性が高いです

給与テーブルの有無

「何年働けばいくらになるのか」が見えない会社は要注意です。給与テーブル(等級制度・号俸表)が存在しない、あるいは社員に公開されていない会社では、昇給の基準が属人的になりがちです。「社長に気に入られているかどうか」で給料が決まるような環境では、実力があっても年収が伸びません。

一方、準大手以上のゼネコンやサブコンでは、等級制度に基づいた給与テーブルが公開されているのが一般的です。入社時に「5年後・10年後にいくらになるか」のイメージが持てる会社を選ぶことが、年収面での失敗を避ける基本になります。

資格手当が月1万円未満

1級施工管理技士の資格手当が月1万円未満の会社は、業界相場を明らかに下回っています。大手ゼネコンでは月3〜5万円、中堅でも月1.5〜3万円が一般的な水準です。年間にすると18〜60万円の差になります。

1級を取得しても手当が5,000円しかつかない会社で頑張り続けるよりも、手当が充実している会社に移る方が、資格を活かすという意味では合理的な選択になります。

昇給が3年以上止まっている

毎年の定期昇給がない、またはベースアップがない会社は、長く勤めるほど市場価値との乖離が広がります。建設業界は慢性的な人手不足にあり、転職市場では年々オファー年収が上昇傾向にあります。しかし、今の会社が昇給を止めているなら、外の相場とのギャップは年々拡大していきます。

「この会社に忠誠を尽くせば報われるはずだ」と考えて留まるよりも、自分の市場価値を定期的に確認し、相場に見合った報酬を得られる環境に移る方が現実的です。

施工管理の年収を上げる3つの方法

年収が低い原因が「会社」にあるなら、解決策はシンプルです。会社を変えるか、自分の市場価値を上げるか、またはその両方を同時に行うかです。ここでは、効果が高い順に3つの方法を紹介します。

1

同業他社への転職

最短で年収UP
63%が年収アップ

2

1級資格の取得

年収差100万円
書類通過率も向上

3

発注者側への転身

デベ平均986万円
働き方も改善

同業他社への転職が最短ルート

施工管理で年収を上げる最も確実な方法は、同じ職種のまま、給与水準が高い会社に移ることです。施工管理に特化した転職エージェント「俺の夢」の調査データでは、転職者の63%が年収アップを実現しています(俺の夢調べ)。

さらに注目すべきデータがあります。トントン社の調査によると、施工管理から転職する人の98%は、施工管理という職種自体を辞めていません。90.2%が「同じ業種内で施工管理として転職したい」と回答しています。

施工管理を辞める必要はありません。会社を変えれば、同じ仕事で年収が変わります。私の知人にも、中小ゼネコンからサブコン大手に移って年収が120万円上がった人がいます。仕事内容はほぼ同じで、資格や経験がそのまま評価されたケースです。

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1級施工管理技士の取得

1級と2級の年収差は約100万円です。月収にして約8万円の差は、取得する価値が十分にあります。転職市場でも1級保有者は即戦力として評価されやすく、書類選考の通過率にも差が出ます。

ただし、ここで重要なのは「どの会社で1級を使うか」です。資格手当が月5,000円の会社で1級を取得しても、年収の上積みは年間6万円にとどまります。一方、手当が月3万円の会社なら年間36万円です。1級を取得するなら、取得後にその資格を正当に評価してくれる会社に移ることまでセットで考えるのが賢明です。

1級取得の年収効果(会社による差)

  • 資格手当 月5,000円の会社 → 年間+6万円
  • 資格手当 月1.5万円の会社 → 年間+18万円
  • 資格手当 月3万円の会社 → 年間+36万円
  • 資格手当 月5万円の会社 → 年間+60万円

※さらに転職時の年収交渉で50〜100万円のベースアップが期待できます

発注者側への転身

施工管理の経験を活かして、発注者側(デベロッパー・発注者支援・設備管理)に転じるルートもあります。デベロッパーの平均年収は986万円と、施工管理職の中では最も高い水準です。

施工管理から発注者側への転職で人気が高いのは、以下の3つです。

転職先 年収目安 特徴
デベロッパー 800〜1,200万円 年収大幅UP。ただし競争率が高い
発注者支援業務 550〜750万円 残業減・休日増。ワークライフバランス重視の方向け
設備保守・管理 450〜600万円 残業少。体力的な負担が軽い

出典:各転職エージェント公開データより編集部作成

転職後の満足度も高く、「残業が減った」「休日が増えた」「家族との時間が増えた」と回答する人が多数います。年収だけでなく、働き方を含めた総合的な待遇改善が期待できるのが発注者側への転身の魅力です。

年収で損していないか確認する方法

「自分の年収は低いのか、それとも妥当なのか」を客観的に判断するためには、業界相場を正確に把握する必要があります。ここでは、自分の市場価値を確認する具体的な方法を2つ紹介します。

相場を自分で確認する

以下の早見表で、自分の年代・資格・業態から年収レンジを確認してみてください。この範囲を大幅に下回っている場合、会社の給与水準が業界相場より低い可能性があります。

資格 1級 2級
建築施工管理技士 550〜750万円 420〜580万円
土木施工管理技士 550〜750万円 400〜550万円
電気工事施工管理技士 500〜700万円 400〜550万円
管工事施工管理技士 500〜700万円 380〜530万円

出典:厚生労働省 job tag・各転職サイト調査データより編集部作成

この表の下限値を下回っている場合は、明らかに損をしています。資格を持っているのに相場以下の年収で働き続けるのは、自分の時間と技術を安売りしているのと同じです。

転職エージェントで診断する

より正確な市場価値を知るなら、建設業界に特化した転職エージェントに相談するのが確実です。施工管理の求人に精通したコンサルタントが、経験年数・資格・実績をもとに「現在の市場価値はいくらか」を具体的な数字で教えてくれます。

転職する気がなくても、相場を知るためだけに相談して構いません。「今の年収が妥当なのか確認したい」と伝えれば、強引に転職を勧められることもありません。自分の市場価値を知ることで、今の会社に残るにしても、交渉の材料になります。

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よくある質問

施工管理の年収が低いのは自分のせいですか?

いいえ。施工管理技士全体の約50%が年収500万円以下というデータが示すとおり、これは個人の能力ではなく業界構造の問題です。企業規模・業態・地域・資格手当の違いで、同じ仕事でも年収が100万円以上変わります。年収を上げたい場合は、給与水準が高い会社への転職が最も効果的です。

2級施工管理技士だと年収はいくらですか?

2級建築施工管理技士で420〜580万円、2級土木施工管理技士で400〜550万円が目安です。1級との差は約100万円あります。2級のまま年収を上げたい場合は、資格手当が充実している会社への転職か、1級取得を目指すのが有効です。

1級を取れば年収は上がりますか?

はい。1級と2級の平均年収差は約100万円です。ただし、効果は勤め先の資格手当制度によって大きく変わります。月5,000円の手当しかつかない会社と月3万円の会社では、年間で30万円の差が生まれます。1級取得後は、資格を正当に評価してくれる会社を選ぶことがポイントです。

転職で年収が下がるリスクはありますか?

同業種への転職であればリスクは低めです。転職者の63%が年収アップを実現しているというデータがあります(俺の夢調べ)。一方で、異業種への転職では年収が下がるケースも見られます。施工管理の経験を活かして同業他社や発注者側に移る場合は、年収アップの可能性が高くなります。

地方でも年収を上げられますか?

可能です。1級施工管理技士を取得した上で、県外のゼネコンが地方に出している拠点の求人を狙う方法があります。大手ゼネコンの地方拠点は都市部と同じ給与テーブルが適用されるケースが多く、地場の中小企業と比べて100万円以上高い年収が得られます。

何歳までに転職すべきですか?

施工管理の転職者の平均年齢は45.5歳です。30〜40代は即戦力として最も評価されやすく、転職市場での選択肢も豊富です。50代以降でも施工管理経験者への需要は高いため、年齢だけで「遅い」と判断する必要はありません。ただし、体力面を考慮すると、「元気なうちに条件のいい会社に移る」のが合理的です。

まとめ

施工管理の年収が低いと感じるのは、多くの場合「個人の能力」ではなく「会社の給与水準」が原因です。同じ資格・同じ経験年数でも、会社が変われば年収は100万円以上変わります。

原因 対策
企業規模・業態の格差 給与水準が高い業態(ゼネコン・プラント)に移る
資格手当の差 1級取得 + 手当が充実した会社を選ぶ
残業代の不透明さ 残業代全額支給の会社を選ぶ
地域差 都市部のゼネコン or 大手の地方拠点を狙う
評価制度の不透明さ 給与テーブルが公開されている会社に移る

転職した施工管理技士の98%は、施工管理という職種を辞めていません。施工管理を辞める必要はありません。年収が低いなら、会社を変えればいいだけです。

まずやるべきこと

自分の年収が相場と比べてどの位置にいるのか、まずは確認してみてください。建設業界に特化した転職エージェントなら、無料で市場価値を診断してくれます。転職するかどうかは、相場を知ってから判断しても遅くはありません。

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